第1回 設計プロセス革新とMBD/MBSEの重要性

2018.04.05
技術顧問 品川
技術顧問 品川

このコラムと著者について

はじめまして。プログレス・テクノロジーズ(株)デジタルソリューション事業部 テクノロジーオフィサー兼エグゼクティブコンサルタントの品川です。

初めに、私の主な経歴を紹介させてください。

本田技術研究所でエンジン設計に従事

1979 年に東京大学工学部機械工学科を卒業し、本田技術研究所(四輪)に入社しました。
当時はモータリゼーションの全盛期であり、私も車好きで大学の自動車部でラリー等を楽しんでいましたので、同級生と同じく就職先には自動車会社を志望しました。本田技研を選んだのは創業者を尊敬していたことがありますが、自分の成績から判断して大手(T社・N社) は難しかったことも本音としてあります。

入社後はエンジン設計者を出発点に、エンジン開発責任者や設計部門長を経て、航空部門を経由し、最後にプロジェクトリーダーとして有志と共に支援技術開発に取り組みました。
支援技術開発とは、量産開発を支えるために現場の困り事を本質的に解決する技術や手法の確立を目指すものです。熱効率向上技術や信頼性保証技術の確立等を経て、最終的に「設計プロセス革新手法(ハードウェアの MBD/MBSE)」の基本形を完成しました。私の現役時代の集大成です。

プログレス・テクノロジーズへの参加

2016 年に本田技術研究所を退社して技術コンサルティング会社を立上げ、2017 年にプログレス・テクノロジーズの技術顧問に就任しました。現在は設計プロセス革新と普及活動に取り組んでいます。

プログレス・テクノロジーズは、事業の柱の一つに設計プロセス革新を掲げており、独自のコンサルティング手法であるPTDBSを基盤として、MBD/MBSEにも取り組みを拡大している意欲のある若い企業です。
私としても設計プロセスを完成形に仕上げたいという想いがあり、同志として最適な企業だと思いました。また、技術に真摯で自由闊達な企業風土にも共感しました。

自分の経験談を伝え、次世代の設計プロセス改革へつなげたい

このコラムの趣旨と流れは以下のように考えています。
私の専門はエンジン設計ですが、多くの失敗をして試行錯誤しながらも乗り越えてきた経験談は、自動車業界の設計者だけでなく、多くのエンジニアの方々の参考になるはずです。私の経験を共有することで、表面的な事象に振り回されることなく、試行錯誤を減らし最短時間で本質解である真のソリューションにたどり着いてほしいと思います。
さらに、現場の皆様を支えることで、最終的に日本の国際競争力の強化につながることも期待しています。

企業競争力の基盤になるMBD/MBSE

MBD/MBSE

今後、企業競争力の基盤となるのは、上流工程である企画・設計段階のプロセス革新です。その方法論が、制御系で進化してきた、モデルを活用したMBD/MBSEです。

MBD/MBSEは、ハードウェアやメカトロを対象としたVプロセスであり、設計効率化の要となる開発のフロントローディングの決定打にもなります。

シリーズ後半で詳述しますが、機能展開(RFLP)を出発点とし、機能モデル(1D CAE)を活用して、パラスタによりシステムを最適化する方法で、設計インフラとしてのプラットフォーム、すなわち CAD・CAE(AbaqusやIsight等)やデータベースを深く理解し、それらを一体的に使いこなす力量が不可欠です。
自社単独で手法を完成し運用するまでには、設計・解析・実験等のエキスパートの協業と開発資源が必要であり、先例も少なく難解で時間もかかります。

自動車業界だけでなく、多くの製造業の開発現場では多忙を極めているかと思います。設計プロセス革新やMBD/MBSE等の支援業務には、弊社のような外部の力を活用し、技術者の方には、新技術・新商品開発などの創造的な業務に集中してほしいと考えています。

次回は、私の新人時代の経験談を披露したいと思います。若手の方々にとって身近で共通の課題や悩みが登場しますので、ぜひご期待ください。

技術顧問プロフィール
1979 年:東京大学工学部機械工学科を卒業 本田技術研究所(四輪)に入社
2016 年:本田技術研究所を退社 技術コンサルティング会社を立上げ
2017 年:プログレス・テクノロジーズ社の技術顧問に就任