「Abaqus活用セミナー」開催レポート2019年09月6日(金)

2019.09.18

セミナー概要

8月2日(金)に名古屋、9月6日(金)に東京にて「Abaqus活用セミナー」を開催いたしました。かねてより、Abaqusの既存ユーザー様および新規ユーザー様より「Abaqusを活用するための情報提供をしてほしい」という要望を多くいただいていたことから、その声にお応えするよう企画したセミナーです。

当日は、実際にAbaqusを利用いただいているユーザー様による事例紹介とともに、Abaqus活用のための機能確認事例や製品の最新情報をご案内いたしました。また、普段のセミナーよりも休憩時間を多めに設定し、ユーザー様同士の交流の場にしていただけるタイムテーブルとしました。

 

プログラム

「遊星歯車機構における、ピニオンシャフトカシメ時の抜き力保証解析手法開発の取り組み」

ジヤトコエンジニアリング株式会社の倉橋様より、Abaqusの活用事例をご紹介いただきました。

ジヤトコエンジニアリング様では、自動車用変速機の変速比や回転方向を変化させるために重要な遊星歯車機構において、ピニオンシャフト周りの設計パラメータがカシメ後の抜き力ばらつきへ与える影響感度を、実験計画法を用いて実験的に確認されました。この影響感度を解析で再現することによって、今後開発する他部品のカシメ設計では、実験せずに解析のみで設計スペックを事前検討できるよう、Abaqusを用いて解析手法構築に取り組まれています。

 

「Abaqusを用いた不整路走行時における車両の過度振動・騒音解析手法」

株式会社エステックの須磨様より、Abaqus Co-Simulationを用いた車両走行解析手法をご紹介いただきました。

静粛性は自動車の商品性の面で重要な性能のひとつであり、不整路走行時の車両の過渡的な振動・騒音性能も評価項目のひとつです。この過渡現象発生時は路面からの入力も大きい傾向にあるため、サスペンションの非線形性も無視できません。しかし、一般的な機構解析では音領域までの検討は難しく、また、非線形有限要素法による動解析は計算時間の面で課題があります。Abaqus Co-Simulationを用いた車両走行解析手法では、解析時間短縮のために車体を主成分モーダルモデル化し、車室内音場と車体の達成を考慮することで車室内音が直接計算できることをご紹介いただきました。

 

「単位寸法一要素の一軸引張解析 〜複雑な解析に取り組む前の準備として〜」
「VCCTによる き裂進展解析 〜Abaqusの機能確認事例〜」

プログレス・テクノロジーズの大井より、Abaqusの機能確認事例をご紹介いたしました。

限られた期間で複雑な解析に取り組む際には、シンプルな解析モデルで事前検討を行うことが多々あります。ここで重要になるのは、機能確認用のモデルを、いかに「シンプルに」「すばやく」構築できるか、です。今回は、一要素の引張解析を題材に、Abaqusの機能を確認する例をAbaqus/CAEによるモデル構築のデモンストレーションを含めてご紹介しました。また、少し発展的な内容として、VCCTによるき裂進展解析機能についても、シンプルなモデルを用いてご紹介しています。

 

「XFEM(拡張有限要素法)の基礎と構造部のき裂進展解析への応用」

上智大学の長嶋利夫教授より、XFEM(拡張有限要素法)の基礎と、その応用例をお話しいただきました。

構造物の応力解析にFEM(有限要素法)が用いられるようになって久しいですが、近年、有限要素メッシュと独立にき裂をモデル化できるXFEM(拡張有限要素法)が提案され、構造物のき裂・損傷進展解析に応用されはじめています。本セミナーでは、XFEMの基礎を解説いただいた後、その応用例として、先生がこれまで実施したXFEMによる金属材料構造や積層複合材料構造のき裂・損傷進展解析事例をご紹介いただきました。

 

「Abaqusの最新情報 − Abaqus2019新機能ハイライト − 」

最後に、ダッソー・システムズ株式会社様よりAbaqus2019の新機能をご紹介いただきました。

 

ご参加の方からの感想など

今回のセミナーの目的のひとつが、ユーザー様同士の交流の場をご提供することでした。休憩時間には、セミナー登壇者に参加者の方が直接ご質問いただいたり、同業種の方同士で情報交換をされる様子が見られました。

ご参加の方に記入いただいた方のアンケートより、今回のセミナーの感想や要望をご紹介いたします。

  • 事例紹介が担当領域に近くて参考になった。
  • 実験手法とCAEの考え方に対し、とても参考になった。
  • 専門性の高い内容でありながらデモ・実際の動きとともに解説されていて理解しやすかった。き裂進展解析は今後チャレンジしたい領域なので参考になった。
  • 基礎から最新情報、事例まで幅広く情報が得られた点がよかった。 
  • 引張試験、実験値の比較方法など、学びがあった。
  • 複雑な計算前に一要素で思っている挙動になるかを確認するという考え方がなかったので、良い気付きを与えてもらった。
  • 営業の方から気遣いいただき、同業種の方とコネクションを持つことができた。

今後もユーザー様のリクエストにお応えするかたちで、設計開発業務の向上に役立てていただけるようなセミナーを企画してまいります。ご登壇いただきました方、ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

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